・題名の訳し方は、旧訳のままにすべきか否かで悩んだが、ほぼ直訳である『孤独の井戸』としておいた。ホールの二番目のパートナーであるウーナ・トゥローブリッジ(Troubridgeは「トルー」ブリッジではなく「トゥロー」ブリッジと発音する由)によれば、題名を付けるセンスがあまりなかったホールの小説の題名の多くは彼女の命名によるものだそうで、この作品もそうなのだが、彼女がなぜこの題名を思いついたのか、どこから取ったのかは不明である。小説本文中に The Well of Loneliness という語句が一度も見えず、文脈から判断することもできないため、題名の訳し方が難しいケースである。